しかし、ある程度の基礎知識が身についたら、その知識を深く定着させたり応用力をつけたりするために、頭のなかにある知識を外に出す作業を行わなければなりません。
たとえば、問題を解いたり、ノートにまとめたり、人に教えてみたりするのは、いずれも外に出す作業です。これらはアウトプット中心の勉強法です。
受験勉強では、最初インプット中心に進めて、その後はアウトプット中心の勉強法に移行するのが一般的です。
アウトプット作業として問題演習しかしていないという人もいるようですが、実は人に教えるのがとても有効です。人に教えるつもりで内容を整理しようとすることや、想定外の質問を受けることで勉強になるのです。
大きな試験の時には、やはり普段とは違った精神状態にあります。プレッシャー、緊張感、あがり、などの影響で、いつもならあり得ないような単純ミスをしてしまうこともあります。
どれくらい平静を保てるかは人によってバラツキが大きく、すごく影響する人もいれば、ほとんど影響しない人もいます。なかには、適度な緊張感によって普段よりも良い成果を出せる人もいるでしょう。これは性格や自信の程度、結果に対する考え方、周囲からの期待などのファクターによっていろいろなのです。
試験でよい結果(たいていは合格すること)を出すためには、単純ミスを無くす試験対策をまじめに行うべきです。特に、いま現在の大学入試や高校入試の受験生は、必ず単純ミス対策を考えてみる必要があります。
単純ミスには、問題文や設問の読み間違えや、計算問題の計算ミス、解答欄の間違い(特にマークシートは要注意)、時間管理のミスなど、いろいろなものがあります。それらに関して、一通り対策を考えてみましょう。
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勉強の質は何で決まるのか?
これはいろいろな要素が考えられます。
● 記憶方法が適切か
● 正しいタイミングに復習を行っているか
● 教材は適切か
● 集中して勉強しているか
● 無意味な作業をしていないか
この他にもいろいろあるでしょう。
適切な勉強をしている秀才と勉強の仕方がわからない人では、能率が10倍も違ったりします。自己流の勉強法を行っている人は要注意です。勉強時間を増やしても、10倍効率のよい勉強法を行っている人には差を広げられるばかりでしょう。
自分の勉強しつはどうなのか?
勉強の質を高めるにはどうしたらよいのか?
勉強時間以前に考えるべき事です。
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よく引き合いに出される例ですが、「薔薇」を「ばら」と読める人は大勢いるのに、「薔薇」という漢字を書ける人は少ししかいません。これは「薔薇」という漢字の全体的雰囲気を知っているだけで、細かい部分まで正確に理解・記憶している人が少ないことを示しています。
このような事が起こりやすいのは、話の上手な講師の授業を受けている時です。おもしろい例なども交えて説明してくれると、何となくわかった気になります。しかし、知識の全体的雰囲気がわかったにすぎないのかもしれません。
本当にわかったかどうかは、自分で同じ内容を説明していればチェックできます。すらすら説明できればOKですが、そうでない場合には復習して、理解と記憶に努めなければなりません。
「きちんとわかっていない」という状態を無くすには、まず、その事に気づかなければなりません。そのためには、自分の言葉で説明したり、関連する問題を解いたりすること(=アウトプット作業)が必要です。
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模擬試験を受けると、合否判定や順位などの結果が気になります。それは当然の事ですが、自分の問題点を認識するのはもっと大事なことです。
例えば、計算ミスが多いという問題点が見えたら、ミスしにくい計算方法や、計算結果のチェック方法などを検討し、それを実践するべきです。そうすれば、問題点が1つ減りますね。
解答時間が足らずに時間切れになることが多いという問題点があるなら、解答作業をスピードアップする方法を考えるべきです。速読法を身につけて問題文を読むスピードを上げるのも有効ですし、選択式の問題なら選択肢を見てから問題文を読む解答方法も検討の価値があります。
いずれにしても、模擬試験の結果を利用して自分の問題点を把握しましょう。そして、それを確実に解消するように対策を行いましょう。
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直ぐにわかるのは、長い文章を短時間で読めること。これは、速読の定義“そのまんま”ですね。でも、よく考えると、これだけでもすごいことだと思います。
たとえば、試験問題にはよく長文がでますよね。大学入試なら国語の長文読解があります。これは設問の題材が長いということですが、設問自体の文章量が多い試験もたくさんあります。資格試験にはそういったものが多いのではないでしょうか。
長文読解を含めて文章量の多い試験(=大半の試験)は、速読できると非常に有利です。制限時間全体から文章を読む時間を引いたものが、純粋に考える時間になるからです。この効果が大きいせいか、単に速読法をマスターしただけで偏差値が10以上もアップするケースがけっこうあるのだそうです。
速読の別の効用として、復習の回数を増やせるということがあります。たとえば参考書を読んで復習するとすれば、読む時間を短縮できるので当たり前ですね。復習を多くできるということは、しっかり記憶できるということです。
さらに、脳に負荷をかけるため、脳が活性化される効果も期待できます。ただ、これは個人差が大きいように思います。この効果をメインに期待しない方が良いかもしれません。
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全く身につかないほど1回の復習を短時間で済ませるのは意味がありませんが、そうかといって必要以上に時間をかけても全体の効率が落ちるだけです。そこで一般的には、復習効果を保ちつつ、できるだけ1回の復習時間を短縮して復習の回数を多くするのが最も効果的だと考えられます。
つまり、復習の回転数を上げるというアプローチです。
このアプローチの良いところは、毎回の復習において、十分マスターできたところは省けることです。復習を重ねるごとに、復習する内容がどんどん減っていきます。1回の復習に要する時間もどんどん短くなっていきます。
自然と、本当に復習が必要なところだけ時間をかけて勉強することになるわけです。
さらに、1回の復習時間を短くするために速読法を利用するのも効果的です。
よく出題されるテーマや問題の形式で苦手なものがある場合には、計画的に攻略しなければなりません。その際に有効なのが、短期集中で攻略するということです。ある期間、集中的に勉強することで、たいていの苦手は克服できるものです。
トータルで同じ時間の勉強を行っても、時間的に分散して勉強したのでは同様な効果が得られません。時間的に間が空いてしまうと、思い出すのに時間がかかるため、効率が悪いからです。
同様な事は、勉強以外でもよくあります。例えば、1シーズンに1回しかスキーに行かないと、何年やっても上達しませんよね。
受験勉強の苦手克服は短期集中でやるようにしましょう。
その意味で、ぜひとも時間短縮を図りたいのが記憶作業です。
記憶作業は勉強に占めるウェイトが大きいことと、
ある程度の記憶作業が進んでからでないと、
実戦レベルの試験勉強を行えないからです。
試験勉強には、知識のインプットをメインに行なう時期と、
その後に頭の中にある知識を応用できるようにする時期があります。
このうち、後者は時間と手間がかかり、個人差も大きいのです。
だから、前半の「知識のインプット」をできるだけ短時間で終らせ、
後半の「応用力養成」に時間を使いたいわけです。
そこで、前半のインプットの記憶作業に記憶術を使うのが有効です。
記憶術で時間を浮かせ、後半の「応用力養成」の時間を確保するわけです。
記憶術はいろいろなものがあります。
自分が「これだ!」と思えるものを探してみましょう。
個人的には、LIFEVISION記憶術がお勧めです。
過去問は実際に出題された問題であるため、
問題の傾向やレベルを最も正確に把握できるものです。
従って、必ずやっておく必要があるのですが、
1度やって終わりという人がけっこう多いんですね。
勉強のスケジュール上、
1回しかやる時間が取れない場合もあるでしょう。
しかし、できなかった問題はスムーズに解けるようになるまで、
繰り返し解いて復習するべきです。
また、最初に解く時に、難易度やテーマ的に復習の必要があるかを、
記号や印で記録しておく事をお勧めします。
復習を行うときにたいへん役に立ちます。
例えば、時間が足らなくなったら、
最も復習の必要な問題のみを選んで解けばよいですね。
過去問によっては、テーマ別に分かれていたり、
難易度が既に記されているものもあります。
それを参考に解く順番を決めるのも効果的です。
試験当日までの残り時間で何をするのがベストなのか?
その答えは人それぞれです。
合格レベルを既に超えている人は、
安定して合格点を確保するための勉強が良いでしょう。
優先度の高い重要項目の復習をしながらも、
様々なバリエーションに対処できるように、
多くの問題を解くのも重要です。
また、かなり頑張らないと合格レベルに達しない人は、
リスクを取ってでも合格ラインを超えるための勉強をすべきです。
例えば、合格点を取れそうな最低限の範囲に絞り込んで、
そこだけを徹底的に攻略する、などが考えられます。
ケアレスミスの多い人は、
その対策を集中的に行なうのも効果的です。
いまから偏差値20アップとかは、
よほど勉強していなかった人を除いて困難です。
でも、偏差値5アップなら可能性があります。
じっくりと自分のポジションと弱点を分析して、
試験直前期の勉強計画を戦略的に立てましょう。
それらの中でおすすめのテクニックの1つが、速読法です。速読のメリットは1つだけでなく、複数あります。
○ 勉強の進み方が速くなる。(特に復習で)
○ だから、復習の回数を大幅に増やせる。
○ だから、勉強内容をしっかりマスターできる。
○ 脳みその活性化にも効果的。
○ 勉強が進むので、テンションを高く保てる。
ただし、勉強に適した速読法を選ぶことが条件です。速読法の中には勉強に適していないものもあります。例えば、フォトリーディング。文字情報を画像としてインプットするため、その情報取り込み速度は超高速ですが、勉強の場合、その後の理解に時間がかかって、あまり勉強を効率化できません。
その点、ドクターブレインのような、「文字情報の取り込み+内容の理解+記憶」の全てを高速化するような速読法がお勧めです。勉強は、ハイレベルな情報を理解してこそ成果が出るのです。理解や記憶の部分まで高速化しなければ、意味がないですね。
計画立案時には、ついいろいろと詰め込みたくなります。でも、実践するとそれが負担=オーバーペースとなります。
挫折しない勉強計画には少なくとも次の2つの要素が必要です。
① 十分な余裕時間を設けてあり、遅れを取り戻すことが可能
② 勉強のテーマごとの難易度・苦手度が反映されている
①に関しては、1週間に1~2日程度の余裕日を設けておくべきです。また、②に関しては、難しいテーマや苦手なテーマの勉強には、多くのの時間を割り当てなければなりません。実に当りまえのことなんですが、実際にはできていない人が大勢います。
ただ、それには準備が必要です。隙間時間はいつ出来るかわからないので、予め勉強する内容と、そのための教材や道具などを用意し、持ち歩かなければなりません。
昔なら単語カード(暗記用の小さなカード)や要点をコンパクトにまとめた教材が代表的なものでした。
しかし、今はスマートフォンなどの携帯端末があります。しかも、有料・無料の有用なアプリも提供されています。これらを活用しない手はありません。
そもそもスマートフォンは常に持ち歩くものです。そこに数多くの学習用アプリを詰め込めるわけです。さらに、わからないことがあれば、インターネット上で検索して調べることもできます。
そして、Evernoteなどを利用すれば、復習すべき内容をストックしておくこともできます。本当に、利用しない手はないと思います。
目標から出発して、その目標を達成するための最短コースを考える視点が大事です。
ただ、試験勉強の優先順位は、試験にどれくらい出やすいかだけでは決まりません。自分がそのジャンル・項目を攻略するのに、どれくらい時間や労力がかかりそうかも重要なファクターです。
そこで、2次元のマップに整理してみるとわかりやすいです。例えば攻略に要する時間や労力を横軸にとり、試験に出やすさを縦軸にとって、各ジャンル・項目の場所を記入してみるのです。
その後の戦略を立てやすいと思いませんか?
でも、試験勉強を始めて間もない頃は基礎学力ができていないので、攻略に要する時間や労力はよくわからないでしょう。その場合は全て同じで構いません。勉強を進めていけば、得手不得手、試験レベルと自分のギャップが段々見えてきます。そうしたら、マップを描き直せばよいのです。(ときどき、マップを修正しましょう。)
パターンのマスターで全ての問題に正解できるわけではありませんが、パターンにはまった問題を全て正解すれば合格できることがほとんどです。
従って、受験勉強では、まず典型的なパターンをマスターすることが重要です。そのためには、教材をしっかり選びましょう。
パターンをマスターするためには、例題の模範解答を理解し、多くの類題を自分の力で解いてみる作業が不可欠です。そのようなの事ができる教材(例題といくつもの類題から成る問題集など)がよいですね。
逆に、復習のタイミングが遅すぎる場合はどうでしょうか?
遅すぎる場合は、ほとんど忘れていますね。ひどい場合には記憶したことすら忘れているかもしれません。すると、ほとんど全てを覚えなおさなければなりません。これはこれで、労力が要ります。
つまり、復習には最適なタイミングがあるのです。早すぎもせず、遅すぎもしないというベストタイミングが。
復習のベストタイミングは、記憶レベルが6割くらいになった時です。英単語のように一気に多くのものを覚える場合は、全体の4割くらいを忘れてしまった頃です。数で数えられない場合には、感覚的に判断するしかありません。記憶の深さや正確さが6割くらいに落ちたなと感じたら、復習するようにしましょう。
もちろん、両方とも大事なのですが、それでは答えになりませんね。ちゃんと理由をつけて、一方だけ選ぶとすれば・・・
復習の方が、大事です。
理由は簡単。学習したことを記憶に定着させるためには、何回も繰り返し復習をしなければならないからです。
予習をしても、授業や講義1回では、まず記憶しきれません。かといって、授業や講義で記憶できるくらい予習を何回も行なえば、それはもう“独学”ですよね。
従って、一般的には復習の方が重要なのです。
このことから、予習に時間をかけ過ぎるべきではないということが分かるでしょう。少なくとも、復習の時間が十分に取れなくなるようでは、問題です。
引き出しや棚、収納ボックスなどの中に物を仕舞う場合に、どのように仕舞うかで探しやすさが天と地ほど違います。
種類や用途など何らかの基準に従って整理して仕舞えば、必要なときに直ぐに取り出すことができます。しかし、場当たり的に仕舞っただけでは、見つけるのが大変です。下手をすると見つからずに諦めるなんてことにもなりかねません
知識を記憶するのも同様です。必要な場面で直ぐに思い出すには、何らかの基準で分類整理して記憶したり、他の知識と関連付けて記憶したり、思い出すときの糸口を用意して記憶したりすることが重要です。
また、知識を引き出す練習をすることも大事ですね。こういうパターンのときにはこの知識が必要なのか、という認識を繰り返すことで、その認識は潜在意識に記憶されます。
一旦、潜在意識にしっかりと刻まれると、場面ごとに必要な知識が自然と(無意識で)思い出されるようになります。
理解するためには予備知識が必要です。予備知識が十分でないと、理解することができません。
勉強で理解できないと、往々にして丸暗記してしまいます。しかし、そのような記憶はすぐに失われてしまいます。
よく暗記科目と呼ばれるのが歴史ですね。でも、十分に理解しようとしないまま覚えようとするので“暗記科目”になってしまうのではないでしょうか。なぜ、その時代にその事件が起きたか?など、歴史にも理解すべきことはたくさんあります。
一方で、知識を増やすためには記憶しなければならず、しっかり記憶するためには理解することが不可欠です。これは、歴史の例でも明らかです。
私自身、学生時代に歴史は暗記科目だと思って勉強していました。十分に理屈を理解していなかったので、いまや忘れてしまった事が多いのですが、数学は違います。しっかり理解したので、高校程度の数学なら今でも使えます。
このように、理解には知識が必要であり、知識を増やすには理解が必要なんですね。